「軟らかいものばかり」は誤解 歯並び悪い子供が増えた訳
よく子供の歯並びが悪い理由は「硬い物を食べる習慣がないため、歯を支える顎が発達せず小さいから」などと言われる。ところが、これは必ずしも正しくないという。むしろ一番の問題は歯が大きくなったためだ。
「動物性タンパク質などを多く取ることで永久歯が大きくなり、正常な歯列を形成できなくなるからです。かつては歯の大きさは遺伝に支配され、環境に左右されないと考えられてきました。だからこそ、顎の大きさだけの研究に関心が集中してきたのです。ところが、最近は永久歯が大きくなっていること、それが原因で叢生が増えていることが報告されているのです」(木村院長)
実際、「歯科矯正患者」「一般の人」「正常咬合者」の歯の大きさを比べたところ、歯科矯正患者が最も大きく、正常咬合者が最も小さかったことが複数報告されている。
歯の大きさについてはマウスなどの動物実験により、低栄養だと歯は小さくなる。
妊娠中あるいは妊娠後に与える食餌の種類によって歯の大きさは変化する、高タンパク・高脂肪食を与えると下顎の臼歯が大きくなることなどが報告されている。