「軟らかいものばかり」は誤解 歯並び悪い子供が増えた訳
むろん、栄養が良くなったことで戦後に成長したのは歯だけじゃない。背も体重も腕や足の長さも変わった。顎も大きくなり、顔の形も面長になり、顎もエラが張った人は少なく、顎がきゃしゃないわゆるしょうゆ顔の人が増えてきている。歯が大きくなり、従来あった歯が生える予定の場所(歯槽骨)の歯が大きくなったためその分、萌出余地は小さくなり、歯並びが悪くなったと山田院長は推測する。
「日本人の歯の大きさはアフリカ系とヨーロッパ系の人々の中間に位置し、それが顎に整然と並んでいたのです。ところが最近では、栄養が良くなるにつれて徐々に歯は大きくなってきました」(山田院長)
健康の基本は食事。食べ盛りの子供だからといって肉などの動物性タンパク質ばかりを食べさせるのではなく、バランスの取れた食事をすることが大切だ。