糖尿病治療の“定番薬” 意外な「効果と副作用」を医師解説

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「今では血糖値が下がるだけでなく、体重維持につながる、長期間使用した患者はその他の薬剤を使った患者よりがん罹患率やがん死亡率が低いことなどが判明。アンチエイジング効果があるという報告もあります」

 昨年の日本糖尿病学会学術集会では神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学の小川渉教授が糖尿病患者にメトホルミンを投与すると80種類以上の腸内細菌の種が変化し、メトホルミン使用者の便を糖尿病マウスに移植すると血糖値が改善したと報告している。

 その薬価は1錠(250ミリグラム)9.90円。対してDPP―4阻害薬(25ミリグラム)の先発薬は70円以上、SGLT2阻害薬の先発薬は100円以上する。

 まさに、「安い」「よく効く」「副作用がない」理想的な薬だ。

■長期使用でビタミンB12欠乏症を招くケースも

 ところが、この薬を長期服用するとビタミンB12欠乏症リスクが高まることを知る人は少ない。

「あまり知られていないのはメカニズムがハッキリしていないからでしょう。ただ、メトホルミンの長期服用者でビタミンB12不足になる人の多くに胃炎を発症しているケースが見られることから、胃からのビタミンB12の吸収が阻害されるからではないか、との意見もあります」

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