ロボットが余命宣告する時代 医師と患者の関係良好の期待も
AIやロボットが私たちの生活を豊かにする一方で、多くの職を奪うという論争は日々絶えることがありません。医療現場では、「ロボットから余命宣告された」との訴えがニュースになり波紋を呼んでいます。
カリフォルニア州のカイザー・パーマネンテ・メディカルセンターの病室で医師を待っていた78歳の患者、アーネスト・クインタナさんの元を訪れたのは、主治医ではなく「テレプレゼンス・ロボット」。
ロボットの頭部分がスクリーンになり、そこに別の場所にいてリモートでつながっている主治医の顔が写っているものです。
そこで告げられたのは、クインタナさんの慢性閉塞性肺疾患の病状には手の施しようがないという冷酷な現実でした。
クインタナさんは当時孫娘と一緒にいて、耳が遠いクインタナさんのために彼女がその事実を伝えなければならず、その状況が事態をますます悪くしました。ショックを受けた孫娘はその様子を撮影し、ネットに投稿したことから炎上。そしてクインタナさんは翌日亡くなりました。
患者の生死に関わる繊細であるべきコミュニケーションが、このような形で行われたことは残念としか言いようがありません。しかし、同様のことは今後も起こりうると警告する声も少なくありません。深刻な医師不足で、特に貧困地域の病院ではビデオスクリーンによる診察が必要不可欠になっていくと考えられているからです。