専門医なのに自分のこととなるとおたおたするだけだった
検査を受ける準備を整え、実際に検査室に呼ばれたのは11時ごろだったと思います。横向きになって、肛門から内視鏡が入るのが分かりました。ただ、苦しくもなんともありません。自分ではどこまで内視鏡が入ったか分からないでいましたが、腹部の右側が圧される気がして、「横行結腸を過ぎたかな」と思っていたら、検査医師から「がんのようなものはないですよ」と言われました。その瞬間、体から力が抜けました。
検査後は、夕方に緩下剤を毎日飲むことで腹部の症状は落ち着きました。結局、あの症状は何だったのだろう?
知り合いの女性に検査のことを話すと、「大腸内視鏡ね。私は毎年受けるのよ」と言われました……。がんを専門とする医者のくせに、自分のこととなるとおたおたするだけ。検査だけで、この体たらくでした。
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