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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

専門医なのに自分のこととなるとおたおたするだけだった

公開日: 更新日:

 そんな思いが頭を駆け回りました。

 検査前日、指定されたレトルトの検査食を朝、昼、夕といただきました。前夜9時には水薬の下剤を飲むことになっています。便秘の時は、数滴をコップの水に混ぜて飲みますが、この検査では1本全部飲まなければなりません。自宅から病院までは電車とバスで1時間以上かかります。翌朝の厳しい満員電車を予想すると、尻に自信が持てません。

 そこで、病院近くのホテルを予約して夕食分の検査食を食べた後、そこに泊まることにしました。万が一、下着を汚した場合を想定し、替えの下着を用意しました。ほかには脱水予防のペットボトル、サインした承諾書を持って自宅を出ます。

 当日の朝は食事なし。それでも、昨夜の下剤で便が出たのは1回だけで、下痢でもありませんでした(結果的に近くのホテルに泊まる必要なしでした)。

 8時半、病院の内視鏡室に時間通りに着きましたが、大腸内視鏡検査を受ける患者はなんと12人もいて、私が一番遅い到着でした。男性10人、女性2人。みなさん検査着に着替えて(ズボンは後ろ開き)、ひとつの部屋に集められます。奥さんが付き添った男性は2人いました。

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