手術で死にかけて…仁支川峰子さん甲状腺がん闘病を語る
失敗は仕方ないと思っています。医者だって人間ですから。でも麻酔の効きすぎがわからず、数値が正常だからといって精神科の医師まで繰り出して、しまいには「病院で一番強い睡眠薬を入れましょう」と言われたのには愕然としました。麻酔で命を落とす人って意外といるんです。顔は穏やかでも、実は苦しみや痛みを必死に訴えているケースもあるってことを知ってほしいと思います。
いろいろありましたが、手術後は声の伸びが数倍良くなりました。病気以外も含めて、人生で死にかける経験をこれだけする人もそうはいないと思うので、「発信する使命を持っているのかな」と思いますし、もう大抵のことは怖くなくなりました(笑い)。
(聞き手=松永詠美子)
▽にしかわ・みねこ 1958年、福岡県生まれ。73年に全日本歌謡コンテストで優勝し、翌年にはデビュー曲「あなたにあげる」が大ヒット。日本歌謡大賞最優秀新人賞、日本レコード大賞新人賞などを受賞し、NHK紅白歌合戦にも出場して人気を博す。その後は女優としても活躍し、芸能生活45周年を迎えた現在は舞台と歌を中心に多忙な日々を送っている。7月27日まで新橋演舞場での舞台「笑う門には福来たる」に出演。8月には悪い女シリーズ第4弾「悪い女に札束を」で主演を務める。