緑内障患者の95%以上が間違い「目薬」正しいのさし方とは
「緑内障は末期になるまでは自覚症状がありません。だから治療途中でドロップアウトしてしまう患者さんもいます。しかし、そうすると必ず進行します。何年も放置して、見えづらくなったからと再来院する患者さんでは、すでに末期で、失明に至るのをなんとか食い止めるしか術がない、場合によってはそれすら難しい、というケースもあるのです」
■目薬をさしたくない人には最新治療MIGSという手も
治療のモチベーションを上げる方法としては、ひとつは、緑内障についての知識を高めること。平松医師が行った調査では、緑内障の説明をしっかり受けて治療をしたグループと、そうでないグループでは、前者の方が治療成績が良かった。
もうひとつは、患者会などに参加することだ。会報などで緑内障情報を常に耳にすることで、治療の継続につながりやすい。
目薬をさす量を減らしたいと思ったら、何か打つ手はあるのだろうか?
「最新治療としてMIGS(ミグス=低侵襲緑内障手術)があります。従来の緑内障手術はリスクが大きく、『失明を避けるためにはこれしかない』といった消極的な理由で行うものでしたが、MIGSはリスクが小さい。白内障手術に追加して行える点もポイントです」
白内障手術に5分ほど追加するだけで終わる。出血リスクはあるが、眼圧を下げる効果があり、目薬の量を減らせる可能性はある。ただし、全員がそうではなく、症状が進行している人では、引き続き目薬を同じだけさし続けなければならない。健康保険適用だ。