「薬の在庫がない」を避けるための 調剤薬局の賢い選び方
「患者が同意して、かかりつけ薬剤師を決めれば、毎回同じ薬剤師が服薬管理を行う。混雑している門前薬局では対応が難しく、地域薬局に向いている制度です」(厚生労働省保険局関係者)
ただし、これも費用がかかる。通常よりも1回ごとの自己負担額が96円高くなるのだ。“ちりも積もれば”ではないが、薬局を頻繁に利用する患者にとっては決して小さくない額である。「この制度は患者さんにも薬剤師にも評判が悪い」と明かすのは前出の薬局店長。
「長時間、話し込む患者さんがいたりして、薬剤師の負担が増大。次第におざなりな対応になり、患者さんの満足度も急降下しているんです」
現在、同制度の旗振り役を務めるのが自民党の小泉進次郎厚生労働部会長。「薬剤師をもっと活用」とアドバルーンを揚げるが、まるで絵に描いた餅。薬剤師は疲弊し、患者は高い薬代を払わされるという悪循環に陥っている。
(取材・文=田中幾太郎)