カロリーはほとんどないのに人工甘味料で動脈硬化が進む?
「砂糖やブドウ糖などの糖分を多く含むソフトドリンクが健康に悪い」という話は皆さんも最近お聞きになることが多いと思います。イギリスでは砂糖を減らすために、「砂糖税」という税金まで導入されています。
糖分を多く含むソフトドリンクは、飲んだ後で血糖値が上昇しやすく、カロリーの摂取量も増えるので、肥満や糖尿病の原因となります。それで、最近では甘いけれどもカロリーがほとんどない「人工甘味料」を砂糖の代わりに含むソフトドリンクが、多く流通しています。
それでは、人工甘味料を含むソフトドリンクには、健康への悪影響はないのでしょうか? その点はまだはっきりと分かっていません。カロリーがないので血糖や体重への影響はないはずですが、体は甘いという認識をしてインスリンが出るので、それが食欲を増して結果として肥満の原因になる、というような意見もあります。
今年の米国医師会の内科専門誌に、ヨーロッパ全土で4万5000人以上の住民を、16年以上という長期間調査した研究結果が報告されています。それによると、砂糖を含むソフトドリンクも人工甘味料を含む飲み物も、どちらも死亡リスクを増加させていましたが、その危険性はむしろ人工甘味料の方が大きく、特に動脈硬化による血管の病気による死亡のリスクは、人工甘味料で52%も増加していました。
人工甘味料の方が安全、と考えるのは危険かも知れません。