膵がん手術を受ける場合 症例が多い施設の方が安心なのか?
膵がん手術では比較的ポピュラーな、膵頭十二指腸切除術を腹腔鏡下で行う場合はまだ保険適用ではありません。
19年のガイドラインのステートメントは「腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術が、開腹膵頭十二指腸切除術に比べ、術中出血量、周術期輸血率、在院日数、無再発生存期間において優れているとの報告を認める。しかし、これらは低悪性度の病変に対して習熟した施設で行われた観察研究のみに限られており、膵癌に対して妥当な術式か否かは明らかではない。さらにわが国では保険適用になっていない点も注意すべきである。以上より、わが国においては臨床研究として行うべきであって、実地臨床では行わないことを提案する」となっています。
今後、症例の多い施設における症例の蓄積と検討により、更に安全で確実な治療計画や標準治療ができることを期待しています。
(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)