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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん<7>薬物療法の延命効果「生存期間中央値」は?

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 これは治療開始から患者が半数に減るまでの期間のこと、つまり「患者の半減期」です。最近は医者に余命を尋ねても「生存曲線」と呼ばれるグラフを見せられ、MSTは何カ月と説明されるようになってきました。個々の患者の寿命は、医者でも分かりかねるということでしょう。

 2000年に発表された研究によると、治療を行わない場合のMSTは約8カ月でした。

 しかし、14年から16年に発表された研究において、抗がん剤治療を行った場合のMSTが約20カ月であることが明らかになりました。差し引き12カ月分の延長です。現在はさらに延びて、15~18カ月といわれています。

 あくまでも中央値ですから、患者の半数はそれよりも先に亡くなってしまいますし、なかにはすぐに亡くなってしまう人もいます。しかし逆に、中央値より長く生きられる人が半数いるのです。そのなかには手術可能になって、全快する人もいるでしょう。希望は常にあるわけです。

【連載】ガイドライン変遷と「がん治療」

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