「酔ってどう帰ってきたか記憶にない」はアルコール依存症
■楽しく飲んでも記憶が飛ぶなら問題
そもそもアルコール依存症とは、どういう状態を指すのか?
「アルコール依存症の診断基準は多岐にわたりますが、何らかの社会的損失や身体的損失が生じる飲み方を繰り返していれば、アルコール依存症やその予備群を疑った方がいい。酒の味が好きか嫌いか、度数が高いか低いかなどは、あまり関係ありません」
40代のAさんは食べ歩きが好きで、酒は日本酒とワインを好む。楽しい酒飲みで、仲間から愛されている。しかし、飲んでいる途中から記憶が飛んでしまうことが珍しくない。夜10時に解散したはずなのに、終電がなくなった時間帯に自宅最寄り駅とはまったく違う駅にいることに気づき、タクシーで帰宅したり、ネットカフェに泊まったりすることがしばしば。カバンやジャケット、財布をなくしたり、身に覚えのないケガを負っていることさえもある。
そんな話も、仲間内では武勇伝として受け止められており、「問題を生じる飲み方」とは捉えていない。