マスクは脳の温度を上げる…熱中症予防のカギは「鼻」にあり
脳=自律神経中枢を冷やすために重要な役割を担っているのが「鼻」だという。自律神経中枢は脳のど真ん中にあり、その場所は鼻腔の真上に当たる。鼻腔の奥には脳とつながっている毛細血管がたくさん通っていて、鼻呼吸をして冷たい空気を通過させれば、熱交換によって脳を冷やすことができる。
「『鼻は脳の冷却装置』とも言われています。鼻が詰まるとボーッとしたり、バテやすくなってパフォーマンスが落ちるのも、脳をうまく冷やせずに温度が上昇してしまうからです。つまり、鼻詰まりの人は熱中症にかかりやすいといえます。鼻詰まりがある人はしっかり治しておくのがおすすめです」(梶本氏)
■吸う空気を冷やす
脳を冷やして熱中症を防ぐためには、それくらい鼻が重要なのだ。
新型コロナウイルスの感染予防で、今夏はマスクを着けて行動する人が増えるのは間違いない。これも、鼻の役割を妨げて脳の温度を上げてしまう大きな原因になる。
「マスクを着けたままだと、吸った空気が温かくなっているマスクを通過してくるので、冷えた空気は取り込めません。さらに、吐く息がマスクを温めるので、次に吸い込む空気にも熱が加わります。ずっとマスクを着けることによって、呼吸で脳を冷やす効果が圧倒的に落ちてしまうのは確実で、マスクによる熱中症が増えるのも間違いないでしょう。また、運動している時は自律神経中枢に負担がかかるので、脳の温度はさらに上がりやすくなります。マスクを着けたまま運動するのは危険です」(梶本氏)