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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

7時間睡眠になったら糖質や甘いものが欲しくなくなった

公開日: 更新日:

 キングス・カレッジ・ロンドンが行った172人を対象にした別の研究では、睡眠不足の人は1日の摂取カロリーが平均385キロカロリー多くなるという結果が出ました。日清カップヌードルが351キロカロリーになるので、カップ麺1個分に相当する量になります。

 韓国のソウル大学医学部は、13万人以上を対象に調査。調査参加者は睡眠時間が4時間以下から10時間以上と幅広く、このうち糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが最も低かったのが睡眠時間7~8時間の人で、睡眠時間が7時間未満の人や、10時間を超える人はリスクが上昇するとの結果が出ました。

 慢性的な睡眠不足は、空腹時血糖値の上昇、基礎インスリン分泌能力の低下、体内のホルモン分泌、自律神経機能の異常などを招きます。わずか2日睡眠不足が続いただけで、食欲抑制ホルモンの分泌が減少し、一方で食欲促進ホルモンの分泌が増す、といった報告もあるのです。睡眠時間の十分な確保は、日中の眠気をなくすだけでなく、健康を維持することにもつながるのです。

 睡眠では、量とともに質も大切です。「しっかり寝ているのに、日中眠い」「家族や同居者からいびきを指摘される」「起床時、頭痛や口の乾きなどがある」「すっきり起きられない。起きた時、体が重い」といったことがみられれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われます。

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