アバターでVR空間に参加してうつを改善 世界で初めて証明
新型コロナウイルスの影響でうつ状態に陥る人が増えている。東京歯科大学の宗未来准教授(精神科医)らがうつ対策への新たな試みで、成果を出している。
宗医師らが行ったのは、スマホやPCからアバターとなってVR空間で参加する遠隔型メンタルプログラム「おうちdeストレスマネジメント」だ。コロナで“遠隔”は珍しくなくなったが、「本プロジェクトはコロナ前から始動しており、付け焼き刃ではないコンテンツが受けられる」と宗医師が言う。
理由はいくつかある。うつ病には認知行動療法などの心理的サポートが重要。宗医師はそれらを英米で学んだエキスパートだが、日本では精神科医による治療は通常短時間の上、心理専門家によるカウンセリングも公的制度化が十分とはいえず、必要な人が気軽に受けられる状況にはない。
グループセラピーという効率的な方法はあるものの、“赤の他人”と顔を合わせるのは抵抗が大きく、参加する人数にも制限がある。
平日昼間での開催が多く、会社勤めの人などには参加しづらい。地方によっては行われている場所も限られ、現状では感染リスクが怖い。