ワクチンが逆効果に…「フィリピンショック」はなぜ起きたか

公開日: 更新日:

 ワクチンによって誘導される免疫が不十分の人には、ワクチンが逆効果になるということだ。

■「悪い抗体」を誘導しやすい人がどれくらいいるか

 新型コロナウイルスに近縁のSARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルスでも、ADE現象は起こりうるとしてワクチン開発は暗礁に乗り上げていた。もちろん、だからといって現行の新型コロナワクチンでも同様なことが必ず起こるというわけではないが、識者の間ではその可能性がわずかでも、リスクは注視すべきとの声は少なくない。

 現時点では、新型コロナウイルスのワクチンで悪い抗体を誘導しやすい体質の人がどれくらいいるかがわからない。もし少数の人でも悪い抗体をつくりやすいとすれば、ワクチンの有効率がいくら高くても、一部の人にとってはワクチンで感染を防御できないばかりか発症率や重篤化するリスクを高めてしまう。

 しかも、それは統計的には表れにくい。仮に90%の人にとってワクチンが有効でも、1%の人にとってはワクチンが有害である(残り9%の人には有効でも有害でもない)とすると、残念ながら数万人ほどの規模の治験ではなかなか有害例が見えてこない。

 ワクチンの有効性が高いと、当然ながらワクチンを受けて発症した人が少なくなり、ワクチンを受けたがゆえに重篤化してしまった人の発見が困難になるのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された