このまま逝くかもしれない…山折哲雄さん肺炎を振り返る

公開日: 更新日:

■身軽になるのは難しい

 肺炎でも苦しい呼吸の中で、やはり、ふとロウソクの火が消えるように逝ければいいなと、今度は「存在の軽さ」に思いを馳せ、存在を軽くすることがよりよく生きて、よりよく旅立てることなのではないかと考えるようになっていました。

「身軽」になることはなかなか難しいことです。「断捨離」という言葉がはやっていますが、物を捨てたからといって身軽になれるわけではなく、物心両面の身軽さというのが真の軽さ。身に付けてきた知識や哲学や信仰さえも荷物であり、重さとなっているのではないですか。こだわっているものから解放されて全部空っぽになればどんなに軽くて楽なことか。

 でもね、いくら捨てても軽くならないものはならない。それを軽くするにはどうしたらいいのか。私はその最後の問いに向かい合っています。

 今生活で心掛けているのは1日30~60分の散歩です。その前は30年間毎日座禅を習慣にしていましたが、仕事であちこち出かけなくなったので動かないとね。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇