緊急事態宣言解除後に感染者急増のナゾ 「腸管」で持続感染?
彼らが野放しになっているのは今のシステムでは陽性者を正確にあぶり出せないからではないか。
現在、感染を判定するPCR検査が検査対象としているのは鼻や咽頭だ。しかし、その感度は70%程度で、綿棒が当たった場所にウイルスが存在しない場合は「陰性」と判断される。他の場所でウイルスが増殖している場合もある。
■ワクチンが寝た子を起こすことにならないか
たとえば、腸管だ。中国が入国する外国人に対して肛門検体採取PCR検査を実施していることが話題になったが、それは新型コロナウイルスの痕跡を検知可能な時間が上気道や唾液より糞便の方が長く確実に検知できると考えているからだ。
新型コロナウイルスはウイルス表面のスパイクタンパク質を介してACE2受容体を発現している細胞に感染する。この細胞はさまざまな臓器に存在するが、発現の程度は上気道のほかに小腸の上皮細胞にも強く発現する。だからこそ、新型コロナは風邪症状以外にも消化器症状を起こすことがあるのだ。
腸管に感染していても下痢などの自覚症状がないケースもある。