頑固な「便秘」を確実に治す方法 消化器専門医が教える
「高齢になると便秘になりやすい。高齢者で便が硬く、週1回くらいしか出ない患者さんの場合、生活習慣改善より先にまず便を出す作業が必要。その際、強い下剤を最初に使うと、硬い便が大腸で詰まってしまい腸閉塞を起こしかねない。この場合は、酸化マグネシウムで便を軟らかくしたり、浣腸で硬い便を出すところから始めます」
早い人では2~3日くらいで便が軟らかくなる。そこから生活習慣改善になるが、高齢者の大半は水分摂取不足も便秘に大いに関係している。心機能や腎機能を調べ、その人にとって安全な量の水分摂取を勧める。
一方、腹痛や腹部の不快感もあり、過敏性腸症候群(IBS)が疑われる場合、酸化マグネシウムは出さない。
「IBSの患者さんは、便はむしろ軟らかい。酸化マグネシウムを使うと下痢してしまうので、便の水分バランスを調整する薬(ポリカルボフィルカルシウム)や整腸剤を一般的に出します」
特に若い女性に多いのが、市販薬の刺激性下剤を長年使っている人。
「刺激性下剤は長期間使用していると手放せなくなります。しかし、いきなりやめると便秘でつらい。そこで酸化マグネシウムと併用しながら、少しずつ刺激性下剤の量を減らしていきます」