高齢期の体重減少は認知症のリスクになる 日本で研究報告
認知症の発症と関連性が指摘されている要因はいくつかありますが、高齢期における体重減少もそのひとつです。しかし、体重変化と認知機能に関する研究の多くが海外で行われたものであり、欧米人よりも体格の小さい日本人での関連性については、よく分かっていませんでした。そんな中、日本人を対象に体重変化と認知症の発症リスクを検討した研究論文が、2020年12月26日付で日本疫学会誌に掲載されました。
この研究では日本人高齢者6672人(平均74・5歳、男性43・8%)が対象となりました。研究参加者に対してアンケートを実施し、1994年と2006年における体重の差が調査されています。この差が1・5キロ以上増えた人を「体重が増加」、プラスマイナス1・4キロの範囲を「体重が安定」、1・5キロ以上減った人を「体重の減少」と分類しています。さらに、体重の減少度合いは「マイナス2・4~同1・5キロ」「マイナス3・4~同2・5キロ」「マイナス4・4~同3・5キロ」「マイナス5・4~同4・5キロ」「マイナス5・5キロ以上」に細分され、認知症との関連性が検討されました。なお、研究結果に影響し得る年齢、性別、教育水準などの因子で統計的に補正して解析されています。