繰り返すつらい頭痛の原因は「帯状疱疹ウイルス」だった
次いで、群発頭痛の発作時に帯状疱疹の治療で使う抗ウイルス薬を5日間投与。すると群発頭痛の発作期間が短くなった。
そこで、帯状疱疹ワクチンを打った群発頭痛患者94人の追跡調査を行ったところ、36カ月後には71%の人が「改善した(発作が起きていない)」と回答し、54カ月後には99%の人に何らかの改善が見られた。
「群発頭痛だけではない。片頭痛にも帯状疱疹ウイルスは関係している可能性があります」
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが繰り返し起こる。この片頭痛患者の50~80%に認められるのがアロディニア(異痛症)で、風が顔に当たった程度の、普段なら何とも思わないような刺激で痛みが生じる。
「群発頭痛と同様に、片頭痛でアロディニアが見られる患者さんには、三叉神経領域に帯状疱疹の症状が出る患者さんが少なくなく、そういう場合、帯状疱疹ウイルスの抗体価が上昇している。アロディニアは片頭痛の治療薬であるトリプタン製剤が効きづらいのですが、帯状疱疹治療で用いる抗ウイルス薬を5日間投与するとアロディニア症状が軽減しました」