著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

精子を作れるのか、作れないのか…それが問題だ

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 典型例では、診察にて腹圧をかけたときに陰嚢の左側にブニョブニョとした静脈瘤を触診することができます。結果的に陰嚢内の温度が上昇し、造精機能障害を起こすと言われています。

 次に、染色体・遺伝子異常が引き起こす不妊です。「クラインフェルター症候群」と呼ばれる性染色体が1本多い「47,XXY」が最も多くみられます。また、Y染色体の精子形成に関与する「AZF(azoospermia factor)」の欠失によるものもあります。

 他には、薬剤性の不妊があります。抗がん剤やその他の薬剤により造精機能障害がみられます。最後に「停留精巣」と呼ばれる、本来は陰嚢内に位置している精巣が陰嚢以外に位置する病気です。精巣の発育が悪く、造精機能障害がみられます。

女性の中で“いけない”膣内射精障害が増加中

 次に造精機能障害以外の不妊です。まずは、性機能障害によるものです。勃起障害と射精障害があります。射精障害では、自慰行為では勃起も射精も問題ないのに膣内で射精ができない状態を指す「膣内射精障害」によるものが最近多くみられます。

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