リウマチは最新治療薬で完治できるのか…薬はやめられる?
また「JAK阻害薬」のJAKとは、サイトカインの情報を細胞内に伝えるために働く酵素群(キナーゼ)のひとつ、ヤヌスキナーゼ(Janus kinase)の略称です。JAK阻害剤はリウマチに関係する複数のサイトカインの情報が細胞内に伝わるのを阻害して、炎症を抑える働きをしています。どの治療薬も結核や肺炎などの感染症には注意が必要で、定期的に診察を受けることが大切です。月々の自己負担額は2万~4万円程度と高額になりますが、最近では生物学的製剤の後発品も登場しており、先発品の6割(2万円前後)の薬剤費となっています。残念ながらリウマチはまだ完治はできません。しかし、最新治療薬を継続していくことで、痛みや骨の破壊などをかなり抑えることができ、今まで通りの生活に近づくことができるようになってきています。
▽佐藤理仁(さとう・みちひと) 昭和大学医学部卒業、2009年昭和大学病院臨床研修修了。同年4月から昭和大学病院リウマチ膠原病内科、12年から日本赤十字社医療センターリウマチ膠原病内科、13年埼玉メディカルセンターリウマチ膠原病内科を経て、16年9月にさとう内科ファミリークリニック院長。18年11月から、医療法人さとう埼玉リウマチクリニック理事長を務める。