ワクチンの積極的勧奨再開へ…子宮頸がん検診が20歳で始まる意味
男性はある意味、“ウイルスの運び屋”ですから、無関係ではありませんし、女性の接種年齢が小6からと若いのは初体験の前に接種しないと効果が少ないから。対象拡大が高3までにとどまるのも性交渉前を意識したためと思われます。
体の中でがん細胞の“芽”ができて、早期といわれる1~2センチ程度に大きくなるまで10~20年を要します。10代の女性が初体験でHPVに感染したとすると、30代くらいで子宮頚がんを発症することになります。子宮頚がんの発症ピークが30代なのはそのためです。
胃がんや大腸がん、肺がんなどは50代を越えて増えますが、女性のがんは若くして発症するのが特徴。乳がんの発症ピークは40代です。子宮頚がんはさらに早く、子宮頚がん検診は20歳から始まり、2年に1回の受診が推奨されます。女性は高校を卒業すると、すぐ子宮頚がん検診が始まるのです。
困ったことに、子宮頚がん検診の受診率は低く、4割ほど。8割を超える米国やドイツのほぼ半分です。そこにワクチン接種の事実上停止が8年間続き、昨年からはコロナ禍の拡大で受診控えも重なりました。ワクチンを接種していない人、検診を控えている人の間で、子宮頚がんが増えないか問題です。