薬を飲んでいるのに血圧が下がらない…それなら「薬の選び方」に問題あり
血液検査でレニンという酵素の数値が高ければ血管収縮タイプで、ナトリウム利尿ペプチド系の一種であるANPの数値が高ければ血液増加タイプになる。
「血管収縮タイプには、レニン・アンジオテンシン系を阻害する薬(RAS阻害薬)やβ遮断薬、カルシウム拮抗剤といった作用機序の降圧薬が効きますし、血液増加タイプには利尿薬などが効きます。言い換えれば、血管収縮タイプには利尿薬はほとんど効きませんし、血液増加タイプにはRAS阻害薬の効き目は良くない」
今年9月には、レニン・アンジオテンシン系の血管収縮、ナトリウム利尿ペプチド系の血管拡張双方に作用する新薬「エンレスト」が高血圧の治療薬として承認。新たな治療の選択肢ができた。
高血圧専門医と専門以外の医師の診療内容の違いを調べた研究では、薬の使い方に差があるという結果が出ている。
血液増加タイプに効く利尿薬は、副作用の恐れから、専門医以外の医師では処方数が少ないとの指摘もある。利尿薬も、医師の管理のもとに服用するなら、安全な薬だ。
薬を飲んでいるのに血圧が目標値に達しないようなら、主治医に薬の変更を相談するか、あるいは思い切って高血圧治療の専門医を受診するのもひとつの手かもしれない。