冬のトイレは血圧を急激に変動させる条件が揃っている
■洋式になって心身の負担は減ったが…
正確なデータがあるわけではないですが、洋式が一般的になって“トイレ習慣”が変化したことで、トイレでの心臓トラブルは大きく減ったのではないかと推察します。ただ、いまも古い平屋の一軒家などでは和式のところもありますし、地方ではトイレが母屋とは別の「離れ」に設置されているケースも残っています。離れにあるトイレは、さらに室温が低くなっている場合が多いので、より血圧変動に気を付ける必要があります。
このように、現在われわれが当たり前のように順応している洋式トイレの環境とは、異なるトイレを使っている人、あるいは地方や海外で使う機会がある人は、トイレで心臓トラブルを起こす予備群といっていいでしょう。
心臓に問題がない健康な人であれば、そこまで気にする必要はありませんが、心臓の治療をしていたり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病があったり、高齢者は注意する必要があります。トイレという場所は、「準備をしてから入る」ということがなかなかできないところです。トイレ内の温度が上がるまで待ってから用を足す、といった行動ができる人はほとんどいないでしょう。