早期乳がんに画期的な新薬が登場 再発リスクを有意に下げる

公開日: 更新日:

「しかし、ほかのがんと違って、ホルモン受容体陽性の乳がんは5年を過ぎても、10年、15年と過ぎても再発のリスクがあり、直線的にリスクが高くなっていきます。一方、ホルモン受容体陰性では術後2年までがピークで、それ以降は徐々に減り、5年を過ぎると再発リスクは、ほぼありません」(原文堅医師=以下同)

 ホルモン受容体陽性の中でも特に、リンパ節転移が多い(4個以上)、リンパ節転移が1~3個の場合はKi67(がん細胞の増殖スピード)の数値が高い、がんが大きい、がんの“顔つき”が悪い(病理学的悪性度が高い)などに該当すると、再発リスクがより高くなる。

「こういう患者さんにはホルモン療法だけでは不十分。再発リスクに応じて抗がん剤や放射線を組み合わせますが、それでも再発する人がいます。中でもリンパ節転移が多い患者さんは再発リスクをなかなか下げられなかった。しかし今回承認された『ベージニオ』(一般名アベマシクリブ)で、有意差を持って再発リスクを下げられることが臨床試験で証明されました」

 ベージニオは、がん細胞の中にある増殖を制御するタンパク質を標的にして、がんを攻撃する分子標的薬の一種。CDK4、CDK6という2つの酵素の働きを阻害する。CDK4は乳がんの増殖の維持に欠かせず、CDK6は骨髄での造血幹細胞の成熟に特に関連する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇