膀胱(上)過活動膀胱は女性よりも男性に多い 医師が解説
「過活動膀胱は女性に多いと思われがちですが、実は日本では男性の方が多い尿のトラブルです。それは過活動膀胱が前立腺肥大症に伴って起きるからです。前立腺肥大症は50代から急増して、50~75%の人が過活動膀胱を合併します。ただ、男性の場合は尿道が長いので、過活動膀胱の症状が出ても尿失禁にはなりにくいのです」
ただし、過活動膀胱と間違えやすい病気はたくさんある。尿トラブルの症状で悩んでいるなら、まずは排尿状態を知るために、排尿を記録することが大切。過活動膀胱の場合は、尿自体に変化が表れたり、尿がたまってきたときや排尿時に痛みを伴うことはない。「排尿時や膀胱に痛みがある」「血尿が出る」「尿に濁りがある」などの症状があったら、すぐに泌尿器科を受診するべきという。
頻尿の症状が出ると水分を控えるという人がいるが、それは間違い。水分は多くても少なくても尿トラブルに影響がある。
「頻尿だからと水分摂取を控えてしまうと、そもそも弱酸性である尿が酸性に強く傾いてしまうため、これが膀胱を刺激して、さらに頻尿を招きます。逆に取り過ぎると、体内で余った水分を排出するように腎臓が働き、頻尿になります」