世界初の肺がん治療薬が日本で承認 これで治療はどう変わるのか?
■無増悪生存期間がほぼ倍に延長
ところが、結論から言うと、世界初のKRAS遺伝子変異の薬「ソトラシブ」は、現状を大きく変えそうだ。
製造販売承認につながった国際共同第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(CodeBreaK100)では、日本人を含む126人のKRAS G12C遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者に「ソトラシブ」を1日1回経口投与。患者は免疫チェックポイント阻害剤および、または抗がん剤の前治療歴のある人たちだ。
すると、奏効率、つまり事前に設定された基準を超えた効果があった患者は37.1%。完全にがんが消えた人も、わずか4人とはいえ、いた。また、43.5%の人が、がんの縮小まで至らなくても、腫瘍が大きくならず、安定した状態を保てた。抗腫瘍効果があったということだ。
「特徴的だったのは、1年以上にわたって治療継続している人が15%程度いる点です。長く治療を続けられる。無増悪生存期間も、これまでの中央値3~4カ月に対し、ソトラシブは中央値6.8カ月と、既存治療のほぼ倍でした」