胃腸が弱い人の腰痛には多くの生薬からなる「五積散」が良いケースも
また、胃腸の働きを高める働きもあり、感冒や急性慢性胃腸炎に使用する場合もあります。ですから、腰痛を訴える方の中でも特に胃腸が弱く、他に適した漢方薬がない場合には本剤を選ぶと良いケースがあるのです。
さらに、川芎、芍薬、当帰といった補血や活血の生薬も配合されていることで生理痛や更年期障害などの改善も見込めるため、特に女性の腰痛に適しているともいえます。
まとめると、五積散は気(体のエネルギー)の巡りや血流を良くして冷えを取り除く働きがあるため、冷え症かつ貧血気味で胃腸が弱い体質、そして主に上半身に熱感があり下半身の冷えがある方の腰痛に使用すると良いといえるでしょう。
注意する点は、体力がなくひどく虚弱な「虚証」の方には向きません。また、配合されている麻黄には交感神経を刺激するエフェドリン類が含まれているため、血管や心臓に負担がかかる可能性もあります。心臓疾患や高血圧、脳卒中といった循環器系疾患の既往歴がある方は使用に注意しなければなりません。持病のある方は医師や薬剤師にお伝えください。