唇がひどく荒れやすい…どんな病気が考えられるのか?
発症後、数日で水ぶくれができます。通常は1週間程度で乾燥して水ぶくれが治まり、かさぶたになったら回復のサインです。ただし、口唇ヘルペスは一度感染すると、神経細胞まで感染し、免疫が落ちるたびに再発するリスクがあります。
治療としては、ウイルスの増殖を抑える抗ヘルペスウイルス薬が処方されるケースが多く、また2次的に細菌感染の疑いがあれば抗生物質が使われることもあります。市販の軟膏もありますが、まずは皮膚科で診断してもらい、症状に合った薬を処方してもらいましょう。さらに、唇から口内に差し掛かる唇の内側に、治りにくい口内炎ができた場合は要注意です。免疫が原因の病気のサインである可能性があります。全身性の炎症性疾患の「ベーチェット病」や、大腸の炎症性疾患の「潰瘍性大腸炎」が考えられます。
このように唇や周辺の症状から、全身の病気を発見するケースもあるので、見逃さないようにしましょう。
▽松浦佳奈(まつうら・かな) 2012年聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業後、18年には同大学病院皮膚科医長を経て、21年4月から二子玉川皮フ科副院長。