自宅で過ごす大切な時間を積極的に充実したものにしたい
「吐き気止めもまた出しておきますね、病院でもらったやつより多めに」(私)
「まだ生きられる?」(患者)
「生きられますよ、ある程度、飲んだり食べたりしたら」(私)
「ホントかしら。あと排便ね。看護師さんに浣腸してもらったけど出なかった」(患者)
「出なくていいですよ。食べてないから」(私)
「ご飯粒一粒も食べてない。ちょこっと食べたいなって」(患者)
「ちょこっとならいいですよ」(私)
「わたしは元に戻るんですかね」(患者)
「はい、それはゆっくり」(私)
ご自身に残された時間に限りのあることは覚悟しながらも、自宅で過ごす大切な時間を、積極的に充実したものにしようとしている--。
そんなご様子に接し、どんな患者さんの小さな思いにも、できるだけ寄り添いサポートしよう。それが在宅医療に求められるもっとも大切なニーズなのだと、思いを新たにしたのでした。