相性が合う医師を求め…精神科医は5回代えても代えすぎではない

公開日: 更新日:

 精神疾患はうつ病だけではない。統合失調症に躁うつ病、適応障害、パニック症などの不安症、PTSD、薬物やアルコールなどの依存症、パーソナリティー障害、認知症、近年激増する発達障害など、扱う領域が膨れ上がっている。

「一方では、専門的な細分化も進んでいます。これらの全てが“精神科”とひとくくりにされ、1人の精神科医に治療能力まで求められてしまっているのです」

 たとえば内科ならば「循環器内科」「消化器内科」「腎臓内科」と分業化されているが、精神科はそうではない。患者が特殊な児童思春期でも、児童精神科医などは非常に少ないため、詳しくない一般精神科医が対応せざるをえない。

 そこで医師以外の多職種連携がカギになるのだが、たとえばこれまで7万人超が誕生した公認心理師はいまだに外来診療上、一銭も診療報酬は認められておらず、完全に形骸化しているのが実情だ。

「結果、割を食うのは患者です」

 西城医師は、こんな例を挙げてくれた。

 友人の精神科医の母親が日中の疲労や体の痛みを訴え、何も楽しめず寝たきりになってしまった。精密検査では体の異常はなし。友人の父親も精神科医で、伝統的な精神医学を重視するタイプ。友人は抗うつ薬の処方を提案したが、父親は「憂鬱さを訴えないので、本物のうつ病ではない。これはストレス反応(適応障害)で、抗うつ薬は効かない」と激怒した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した