あなたのドライアイ治療法は大丈夫? 日本眼科学会がガイドライン発表
「ドライアイの原因は目表面の水層が不足して乾燥する場合と、マイボーム腺機能低下により油の分泌量が減って、目表面の涙液層が不安定化する場合とに分かれます。原因で多いのは後者の方ですが、これまでその治療法は眼科医によってマチマチでした。そこで日本眼科学会誌にマイボーム腺機能を維持するためのガイドラインというものが今回発表されたのです」
ガイドラインとは、現在世界で公表されている学術論文を読み尽くして、そのエビデンス(科学的根拠)に基づいて、その治療法を強く推奨するものから、行わないことを推奨するものまでに分類して、すべての眼科医に指示するもの。
「今回のガイドラインで、もっともエビデンスがあるとして強く推奨されたのは、5分ほど温めたタオルでまぶたを温める『温あん法』だけでした。実施することを弱く推奨するという項目には、市販の眼瞼洗浄剤を使ってマイボーム腺の開口部などをきれいに洗う眼瞼清拭、抗菌薬点眼、ステロイド局所投与、オメガ3脂肪酸製剤の内服、抗菌薬内服、強いパルス光治療、加温パルス圧迫。明確な推奨ができないものには、副腎皮質ステロイド系眼軟膏を除く眼軟膏や油性点眼で、その理由はいずれも報告が少ないためとしています。弱いながら実施しないことを推奨する項目には、ジクアホソルナトリウム点眼、シクロスポリンA点眼、細い針での穿刺が含まれました。涙液状態改善の可能性はあっても、これらの治療法には、エビデンスが弱い、あるいは直接的にマイボーム腺機能不全がその効能効果には含まれていないというのもこの結論の原因だそうです」
気になる人は、かかりつけの眼科専門医に聞くことだ。