アトピー性皮膚炎治療最前線 新薬が続々登場…医師が特に注目するのはこの2剤
アトピー性皮膚炎の治療を多く行う医師の間でも、現時点で特に注目されているのはこの2剤だという。
デュピクセントとリンヴォックの2剤を直接比較した「Heads Up試験」がある。18~75歳の中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を2群に分け、外用薬は用いずデュピクセントだけ、またはリンヴォックだけを投与し、比較。すると、リンヴォックはデュピクセントよりも早い段階で有効性を示し、16週時における皮膚症状とかゆみの改善率は、どちらもリンヴォックの方が有意に高かった。
「リンヴォックは非常に切れ味がいい。臨床現場でもそれを感じています。飲んで数時間後からかゆみが引いたという患者さんもいました」
リンヴォックは15ミリグラム錠と30ミリグラム錠があり、「Heads Up試験」で用いられたリンヴォックは最大容量の30ミリグラム錠。15ミリグラム錠でも、デュピクセントより皮膚症状やかゆみの改善率が上回るかは、研究が行われていないので何とも言えない。
「長期間、最大容量を出し続けるのは抵抗があります。どんな薬でも量は少ないに越したことはないからです。そこでリンヴォックを患者さんに使用する場合、症状が落ち着いたら薬の量を減らすようにしています。30ミリグラム錠から15ミリグラム錠への減量、またはその逆の増量は認められているものの、どのタイミングで行えばいいかはデータがないため、医師の判断になります」