アトピー性皮膚炎治療最前線 新薬が続々登場…医師が特に注目するのはこの2剤

公開日: 更新日:

■全く効かない患者はほぼいない

 リンヴォック30ミリグラム錠投与の患者では、ニキビやヘルペスといった皮膚感染症の副作用が出やすいというデータもある。一方、デュピクセントはそれらのリスクが少ない。

「デュピクセントは、重篤な副作用がなく、安全性が高いため、使いやすいという利点がある。結膜炎の副作用が報告されていますが、抗アレルギー点眼薬で改善することがほとんど。かゆみを抑えるスピードではリンヴォックが勝りますが、デュピクセントは皮疹を改善する効果に優れており、皮膚がもちもちしてくる。デュピクセントが全く効かない患者さんはほとんどいないという印象です」

 デュピクセントは2週間に1度の注射薬で、外来での注射、または自己注射になる。自己注射は高額療養費制度の対象となるため、そちらを選択する患者が多い。リンヴォックは毎日の内服薬だ。

「注射薬と聞いて躊躇している方も、始めると慣れて、難なく続けられている。ただ、『やっぱりダメ』という患者さんもいて、そういう方にはリンヴォックという選択肢があることを伝えています」

 デュピクセントか、リンヴォックか、はたまた別の新薬か。いずれにしろ、従来薬が効かなかった人も、アトピー性皮膚炎のコントロールが期待できるようになっているのは確か。もしまだその恩恵を受けられていないなら、アトピー性皮膚炎の治療に力を入れる皮膚科医に相談すべきだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」