アトピー性皮膚炎治療最前線 新薬が続々登場…医師が特に注目するのはこの2剤
■全く効かない患者はほぼいない
リンヴォック30ミリグラム錠投与の患者では、ニキビやヘルペスといった皮膚感染症の副作用が出やすいというデータもある。一方、デュピクセントはそれらのリスクが少ない。
「デュピクセントは、重篤な副作用がなく、安全性が高いため、使いやすいという利点がある。結膜炎の副作用が報告されていますが、抗アレルギー点眼薬で改善することがほとんど。かゆみを抑えるスピードではリンヴォックが勝りますが、デュピクセントは皮疹を改善する効果に優れており、皮膚がもちもちしてくる。デュピクセントが全く効かない患者さんはほとんどいないという印象です」
デュピクセントは2週間に1度の注射薬で、外来での注射、または自己注射になる。自己注射は高額療養費制度の対象となるため、そちらを選択する患者が多い。リンヴォックは毎日の内服薬だ。
「注射薬と聞いて躊躇している方も、始めると慣れて、難なく続けられている。ただ、『やっぱりダメ』という患者さんもいて、そういう方にはリンヴォックという選択肢があることを伝えています」
デュピクセントか、リンヴォックか、はたまた別の新薬か。いずれにしろ、従来薬が効かなかった人も、アトピー性皮膚炎のコントロールが期待できるようになっているのは確か。もしまだその恩恵を受けられていないなら、アトピー性皮膚炎の治療に力を入れる皮膚科医に相談すべきだ。