末期がんの男性は食事が中止になり「死が近づいた」と思った
中心静脈から高カロリーの輸液は可能でしたが、Kさんは苦しむ期間が長くなるのではないかと思い、断りました。ジュースを3本ほど冷蔵庫に入れてあったので、少しずつ飲んでみると吐くことはありませんでした。食事の時は、助手さんがお茶だけを持ってきてくれました。内服の薬も小さな錠剤が2個に減りました。
看護師さんから転倒を心配され、排尿は尿瓶を使うことになりました。もしトイレに行きたい時は必ずナースコールを押すように言われました。
シャワー浴を希望したところ、ベッドに寝たまま浴室まで運ばれ、全身を洗ってくれました。この時はとても気分が良かった。下着を着替える時、あばら骨が目立って「このやせ細った体が元に戻るのは無理だ」と思いました。看護師さんは背中を見て「褥瘡なし」と口にしていました。この時が最後のシャワーとなり、それからは清拭だけになりました。
■緩和病棟では点滴も減った
緩和ケア病棟に移る前に、緩和の担当医から説明がありました。