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森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

「慢性腎臓病=腎がん」ではないが透析になると発症率15倍

公開日: 更新日:

 具体的には「高血圧糖尿病の治療」「腎機能低下の合併症の治療」「健康的な生活習慣を送る」「定期的な腎臓の観察」があります。

 慢性腎臓病の患者さんは、高血圧や糖尿病を患っている人が非常に多い。私は「慢性腎臓病」と診断した場合には必ずこの2つの病気についても検査し、当てはまる患者さんには適切な薬を処方します。

 高血圧や糖尿病の薬には、腎臓を保護する作用があり、人工透析になることを遅らせることが証明されている薬もあります。

 次に「腎機能低下の合併症の治療」について。腎機能の低下が進行すると「動脈硬化」や「筋力低下」「腎性貧血」などが合併症として起きるリスクがある。そのため、定期的な通院で、これらを発症していないかどうかの確認が必要です。

「健康的な生活を送ること」については、この連載でも何度かお話ししたので、もう改めて説明することもないかもしれませんね。禁煙や肥満の解消、腎臓病によい運動療法(腎臓リハビリテーション)、十分な睡眠などが該当します。

 最後に「定期的な腎臓の観察」ですが、腎機能の低下が進行しているかどうかを定期的にチェックすることはとても重要なこと。少なくとも数カ月に1度はeGFRの値と、尿タンパク定量を確認するようにしていただきたいです。

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