会話ができない認知症晩期の患者で注意するポイントは?
晩期になっても感覚や感情は残っています。ですが、言葉を介したコミュニケーションができないため、痛みを感じていても言葉や行動で抵抗できず患者さんは我慢するしかありません。ただ、筋力が少しでも残っていれば痛みや不快感を感じた際に眉間にしわを寄せたりするので、介護者はこれを見逃さず患者さんの感情を読みとることが大切です。
晩期の患者さんと接する際には、怒ったり責めたりせず、ポジティブな言葉を用いて優しいトーンで話しかけましょう。高齢になると高音が聞き取りにくくなるので、聞き取りやすいよう低い声で話しかけることを意識するといいでしょう。また、おむつの交換などの際にはオートフィードバックと呼ばれる、今行っていることを実況中継すると、「これから何をされるんだろう」といった患者さんの不安を取り除くことができます。
晩期の患者さんはひとりで立ち上がることが難しいので転倒の危険性がなく、一日中介護する必要はありません。しかし、流動食の準備やおむつの交換は必ず必要になります。介護疲れで困った際には、訪問介護や訪問看護を頼ってください。