痒みが悪化する! アトピー性皮膚炎の「汗対策」4つのポイント
まず大前提として「ステロイドは副作用が怖い」というのは全くの誤解だ。適切な使用によるメリットは大きい。しかし、ステロイドが向いていない患者もいる。現在、軽症の患者用ではステロイドではない塗り薬も新たに登場しており、選択肢が増えている。
「ステロイド外用薬と同様、目分量で塗ると効果が薄くなりますので、使用する際には必ず医師から言われた適量を守るようにしましょう」
中等症以上の場合、塗り薬に注射薬や飲み薬を組み合わせる「全身療法」という選択肢もある。寛解を長期維持するための治療で、保険適用だ。寛解とは、皮膚症状にとらわれず日常生活を送れること。
「現在は12歳からの適応となる薬もありますし、さらに低年齢でも『全身療法』を選択できるようになるのはそう遠い未来ではありません」
全身療法によって、アトピー性皮膚炎は寛解維持が可能な病気となった。
「当院にも全身療法を行う患者さんが多くいらっしゃいます。みなさん、薄かった皮膚のバリアーが強くなり乾燥が少なくなり、『痒みに悩まされ続ける日々から解放された』と表情や雰囲気まで明るくなる。汗でしみることが少なくなったので、スポーツを始めたと楽しそうに話す方も。そんな患者さんを見られるのは、何よりうれしいですね」
同じ皮膚科でも、何を得意としているかは違う。現在の治療に満足を得られていない人は、他の治療方法がないか、一度、主治医に相談することをお勧めする。