ACE阻害薬は血圧を下げるだけでなく臓器を保護する作用もある
ACE阻害薬はその名の通り、ACEの働きを止めてアンジオテンシンIがアンジオテンシンⅡにならないようにすることで、血圧を下げるクスリです。血圧を下げるだけでなく、心臓や腎臓を保護する作用もあるので、多くのメリットがあるクスリでもあります。
特徴的な副作用として「空咳(痰が絡まない咳)」があります。実はACEの作用で作られるのはアンジオテンシンⅡだけではなく、ブラジキニンという物質も作られます。これが空咳の原因といわれていますが、結局はACEの作用をしっかり止めることができている証拠でもあります。
だからといって、咳により睡眠が妨げられるような状況は好ましくありません。このクスリを使っていて咳で日常生活に支障がある場合には、他のクスリへの変更を考えてもよいかもしれません。
もうひとつ、血液中のカリウムが増えるという副作用があります。カリウムが増えすぎると心臓に悪影響が出る可能性もあるため、定期的に血液検査をしておいたほうがよいでしょう。
ACE阻害薬は血圧を下げるだけでなく、他の臓器保護作用も持っており、さらにはアルドステロンの作用を抑えることで尿への塩分(ナトリウム)の排泄も促進してくれます。もちろん副作用はありますが、とてもメリットの多いクスリだといえます。