著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「暗記」はシチュエーションと結びつけて行うと効率がいい

公開日: 更新日:

 私自身、英単語を覚える際は、状況と言葉を結びつけて覚えていました。

 たとえば、家から駅に向かうまでに目にするものに英単語を重ねていく。それにより脳が活性化する導火線が、単線から、複線になる。単語帳で文字と文字を結び付けて思い出すより、状況からも思い出せるように別動線をつくっておく──こういった暗記術は、先に紹介した「におい」と同じ構造です。

 皆さんも、名前は思い出せないものの、人物の印象だけは思い出せるといった経験があるはずです。それこそ“ヒゲ眼鏡(さん)”とか“ぽっちゃり花柄(さん)”とか勝手にその人をラベリングすると覚えやすくなる。

 初対面のときに「鼻毛が出ていた」だけでも、その人を覚えやすくなるのは、記憶を呼び起こす動線が複数あるため忘れづらくなるわけです。

 ですから、語学を学習するなら、歯磨きやトイレなどルーティンのアクションにインプット作業を重ね合わせれば一石二鳥でしょう。その上でシンプルなものに関しては睡眠学習を取り入れてみるといいのではないでしょうか。

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