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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

医薬品が感染症を引き起こしたり悪化させるケースもある

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 感染症を誘発する可能性が知られている医薬品は、免疫抑制の効果によるものだけではありません。たとえば、糖尿病治療薬のひとつであるSGLT2阻害薬は、尿路感染症の発症率を上昇させるといったデータが報告されています。SGLT2阻害薬は、尿から排出される尿糖の量を増加させ血糖を下げる薬で、その作用によって尿中での細菌が増加しやすくなるのです。ただ、糖尿病自体が尿路感染症のリスクともいわれています。

 ほかにも、統合失調症などの症状を改善するために使われる抗精神病薬では、誤嚥を起こしやすくなるケースもあり、誤嚥性肺炎に注意が必要です。

 医薬品に副作用はつきものですが、そのために薬をやめてしまうことは避けなければなりません。ですから、ご自身の病気になぜその薬が必要なのか? また、どのような副作用があるのか? 対処法はどうなのか? 担当の医師や薬剤師にしっかり確認することが大切なのです。

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