【睡眠時無呼吸症候群】最新治療ならCPAPが合わない人も続けられる
前述したように治療の基本はCPAPになる。鼻を覆ったマスクからチューブを通して適切な圧を加えた空気を送り込み、気道を広げて呼吸を改善する。しかし、マスクの不快感や息苦しさ、効果が実感できないといった理由から、治療を続けられない人がいるという課題があった。
そんなCPAPが使用できないOSA患者への代替療法が「舌下神経電気刺激療法(HNS)」だ。
幅約50ミリ、厚さ約7ミリの小型デバイスシステム(写真)を体内に植え込む方法で、2021年6月から保険適用になった。
「鎖骨の下を切開してデバイス本体を植え込み、その真下にある肋間筋に呼吸を検知するセンサーを留置します。さらに顎下から刺激リードを挿入しデバイス本体とつなぎます。肋間筋の動きから吸気を感知すると、舌下神経に刺激が伝わり舌根を持ち上げて上気道を確保する仕組みです」
手術後は、植え込んだデバイスが動かないよう激しい運動は控え、1カ月後の外来で傷口に感染が起きてないか、舌にしびれや違和感がないかチェックしたのち、リモコンで初めてスイッチを入れデバイスを作動させる。その後は毎日スイッチをオンにしてから就寝すれば自動的に無呼吸を改善する。万が一、スイッチを入れずに寝てしまったら家族が代わりに操作しても構わない。