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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

元大関・朝潮が67歳で急逝…小腸がんはカプセルかダブルバルーンの内視鏡でチェック

公開日: 更新日:

 カプセル内視鏡は、口からのみ込むと、1秒に2~6コマ撮影され、肛門から排泄されるまで画像が送信されるので、その過程で小腸も調べる仕組みです。ダブルバルーン内視鏡は、口からと肛門からの検査を行うことで小腸全体をチェックします。

 小腸がんの中で腺がんというタイプは、45%が十二指腸に発生します。この場合は内視鏡で見つけられるため、胃がん検診で内視鏡検査を受けるときは、「十二指腸もよく診てください」とお願いすることをお勧めします。

 早期はほかのがんと同じように無症状ですが、便潜血検査の陽性で胃や大腸を調べても異常がないことから小腸を調べて見つかったり、貧血が進んだり、腹痛や腸閉塞が診断のキッカケになったりすることもあります。何らかの症状があって、胃や大腸に異常がなければ、小腸も調べてもらうとよいでしょう。CTで発見されることもあります。

 治療はステージ3までなら手術が基本。ステージ4で転移があると抗がん剤です。

 なぜ小腸のがんが少ないかについては、諸説あります。小腸は、大腸に比べて免疫機能が高く、細菌やウイルスなどの悪影響を受けにくいのが1つ。2つ目は、小腸の粘膜は新陳代謝が速く、24時間で新しい細胞に入れ替わるため、がん化しにくいのです。大腸粘膜の入れ替わりサイクルは28~30日ですから、その分、がん化の可能性が高くなります。朝潮さんのご冥福をお祈りします。

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