著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【薬剤耐性】ペットや家畜への抗菌薬の乱用は人間にとって脅威になる危険

公開日: 更新日:

 抗菌薬の不適切な使用を背景として、「薬剤耐性菌」が世界的に増加しています。新たな抗菌薬の開発は減少傾向にありながら、抗菌薬の消費は拡大していることから、それに伴って発生する薬剤耐性(AMR)が世界中で大きな問題となっているのです。

 こうした薬剤耐性は、人間にだけ関連しているわけではありません。今回は、動物が抗生物質に対する耐性を持つ問題についてお話しします。

 抗菌薬は、私たちの医療システムにおける感染症の治療に欠かせないものですが、それだけでなく、畜産業やペット健康管理にも使用されています。しかし、こうした用途での抗菌薬の乱用は、動物にも薬剤耐性をもたらす危険を秘めています。これは、抗菌薬が微生物を殺す、または増殖を抑制する能力を低下させることを意味します。結果として、感染症の治療が難しくなり、病気が悪化する可能性が高まるのです。

 動物が抗菌薬に対する耐性を獲得するプロセスとして、畜産業における使用やペットへの抗菌薬の投与などがあげられます。抗菌薬は感染症の予防や治療に有用ですが、過度の使用は薬剤耐性を助長します。ペットに対しても適切に使われればよいのですが、誤った使用や未使用分の廃棄は問題となります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ