動物が薬剤耐性を持つと、感染症の治療が難しくなるだけでなく、薬剤耐性を持つ微生物は動物からヒトに感染する可能性があるため、拡散すると公衆衛生にとって大きな脅威となります。本連載でも抗菌薬の適正使用について何度かお話ししてきましたが、これはヒトだけでなく動物にも当てはまることを考える必要があるのです。
ヒトにおける薬剤耐性対策は厚生労働省が力を入れていますが、動物における対策は農林水産省が推進しています。畜産業やペットケアにおける抗菌薬の使用を適切に管理し、乱用を防ぐことが大切です。ペットの治療には、獣医の指導を受け、決められた用法通り薬をきっちりと使いましょう。