致死率30%「人食いバクテリア」に感染しても命を守る方法
80代の男性は、家族旅行で訪れた温泉の洗い場で転倒し足を打撲。目立った傷や痛みはなく特に気に留めずに過ごしていたが、翌晩40度の発熱と足の腫れで受診した。壊死が広範囲に及んでいたため、股関節の位置で足を切断したが、死亡した。
■治療法は皮膚を剥いで洗い流す
劇症型はその進行速度の速さから、治療法が限られている。
「溶連菌には抗菌薬のペニシリンの効果が高いのですが、劇症型の場合、血液中の細菌数が多く薬では対抗できません。そのため『デブリードマン』と呼ばれる皮膚を剥いで細菌がたまっている筋膜を洗い流す治療を行います。これにより約半数の人は切断を免れますが、壊死は1時間のうちに4~5センチずつ広がるので、早期に治療しなければ死亡するリスクが高まります」
60代のある女性は、庭仕事をしていた際に鉄パイプが足の甲に落ちて打撲し、翌日に赤い腫れと40度の発熱の症状で受診。早期受診が功を奏し、デブリードマンで治療可能と判断され足の切断を免れた。ただ、足の皮膚は薄く、継ぎ合わせる際に皮膚が足りなくなる。臀部から切り取った皮膚を植皮する必要があるため、約半年間の入院を経て退院したという。