認知症と診断する際はどのような検査が行われているのか?
ただ、あくまでも簡易的な検査なので、より詳しく認知機能障害を評価できる「ADAS-COG」を行う場合もあります。記憶、言語、行動の3つの領域から計11項目出題される検査で、実際に日常生活で行う動作も検査に含まれます。ただ、検査時間は約1時間を要するので、患者さんの体調などを考慮して行う必要があるといえます。
問診やこれらの検査の結果から認知症の疑いがあると判断された場合、CTやMRI、SPECTやPETなどの画像検査を行い、認知症のタイプや脳の萎縮の程度、進行度合いをチェックし、最終的に診断しています。
ただ、問診や検査の際、「くだらない質問をして俺を試しているのか」と、プライドが傷ついて怒り出し席を立つ患者さんが少なくありません。認知症は早期発見、早期治療が重要です。私が理事を務める日本老年精神医学会では、認知症を早期に発見できる可能性が高い新たな評価尺度を開発しました。次回はその内容についてお話しします。
▽朝田隆(あさだ・たかし)1982年東京医科歯科大学医学部卒業、83年同大精神科、95年国立精神・神経センター武蔵病院、2001年筑波大学精神医学教授を経て、15年からメモリークリニックお茶の水院長、筑波大名誉教授、東京医科歯科大学特任教授を務める。